圃場
Vineyard

耕作放棄地の開墾から

武蔵ワイナリーでは、2011年から荒れた耕作放棄地を開墾し、葡萄づくりを始めました。

2013年に収穫したブドウから、初めてのワインが完成したのは2014年3月19日のことです。

2020年には、面積が8圃場で約3haとなりました。

完全無農薬の自然栽培

小川町には「小川町有機農業生産グループ」があり、所属する70件以上もの有機農家が当たり前のように農薬や化学肥料を使わずに農作物を栽培しています。

JAS有機でも使用が認められているボルドー液すら使わない完全無農薬でのブドウ栽培に成功したのは、小公子という偉大な品種にめぐり会った事に加え、私も同グループの一員であることが成功の大きな要因です。

周りにたくさんの有機農家がいて、農薬を使わないことが当たり前の環境だからこそ、ブドウを完全無農薬で栽培できると信じることが出来、そして成功することができました。

武蔵ワイナリーの葡萄畑は農薬、殺虫剤を使わないことはもちろん、基本的には肥料も与えず、雑草草生の自然栽培です。

土壌は粘土質。

小川町は太平洋式気候で比較的積雪が少なく降雨や雷雨が少ないといわれていますが、湿気から葡萄を守るため、仕立ては棚仕立てとし、全面的に雨除けを施し病気対策を行っています。

日本ミツバチ

武蔵ワイナリーのロゴやモチーフなどが全体的にミツバチをイメージした図柄(ハニカム)になっているのは、

ネオニコチノイド系農薬によりミツバチが危機的な状況にあり、危険な農薬を使用しない事の意義を込めています。

人間が楽をすることでミツバチが激減し、結局それが人間に帰って来ます

微力ながら、今後も農薬や化学肥料を使用しない農業への回帰を訴えていきます。

ワイン特区・小川町

2018年、小川町はワイン特区に認定されました。

現在はワイン用の葡萄を全量自社栽培で生産していますが、今後、周囲で有機農家が増え、小川町が有機ワインの産地となることを目指しています。

醸造
Vine to Wine

自然そのまま無添加

2019年に完成した醸造所施設内では、古来の日本酒蔵で使われている土壁をあえて採用しました。

酵母が住みつきやすいのは土壁です。
温湿度を自然に調整し、ここで働く人やワインを造り出す微生物にとって心地よい空間の中、ワインをゆっくり発酵させていきます。

ワインは、テロワールという「生育環境」を意味する言葉で語られ、それを表現することを重要視しました。

酸化防止剤である亜硫酸塩に関しては、それを使用せずに醸せる良好な状態であった為、全く使用していません。

培養酵母の添加もせず天然酵母で醸し、おり引き剤の添加もせず、その他添加物を全く加えずに醸しています。
補糖も補酸も施しておりません。

Terroir テロワール

土着酵母のみで発酵させたこのワインには小川町のテロワール(ブドウの生育環境)を十分に表現することができたと思います。

このワインは、有機認証を受けていませんので、それを記載することは出来ません。

しかし、有機認証を受けたワインよりももっと正直につくり上げたという自負があります。

日本酒造りとワイン醸造の共通点
Sake

小川町でワイン造りを目指すことになってから、並行して始めた日本酒造り。

小川町や近隣の有機農家が育てた無農薬米「イセヒカリ」を買い取り、杜氏を務める小川町の酒造『武蔵鶴酒造』でワイナリーオリジナルの日本酒を造っています。

純米にこだわり、仕込みにおいても生酛や山廃といった伝統的な手法を採用。

日本酒造りで培った技術をワイン造りに生かしています。

最初の苗木を植えてから、最初の1本のワインができあがるまでの様子は、別ページに
「武蔵ワイナリー物語」として掲載していますので、どうぞご覧ください。