ワイン用語解説

あ 行

赤ワイン

皮の黒・青・赤ブドウを果皮(種も実も、ワイナリーによっては果梗)も全部一緒に醪(もろみ)として発酵させるのが赤ワインです。タンクの中ではアルコール発酵が行われた後に、リンゴ酸が乳酸と炭酸ガスに分解されるマロラクティック発酵が行われます。特徴としはフラボノイドなどのポリフェノールが白ワインより多く、渋みを感じる成分タンニンも含まれます。果皮に含まれるアントシアニンという色素によって赤色のワインになります。

圧搾(あっさく)

圧搾(あっさく)はタンクの中で発酵したブドウを搾り、圧力をかけて果汁やワインと固形分(種や果皮)を分離する作業です。ぶどうから自然に流れ出たワイン(フリーランジュース)を分けた後に、軽くぶどうをプレスしてワインを絞ります。繊細な味わいのフリーランジュースと、色濃いが雑味が多いプレスワインは、仕上がるワインのコンセプトによって使い分けられます。

アッサンフラージュ

立体的なものを組み立てるという意味を持つ(英:Assemblage)ことば。特徴あるワインを造るために、2つ以上のワイン(原酒)を1つにブレンドする技法のことです。

亜硫酸塩(ありゅうさんえん)

亜硫酸塩(ありゅうさんえん:SO2)は世界中でワインに使われている代表的な酸化防止剤です。酸化しないようにということで、亜硫酸塩がワインに入れられるのですが、温度管理ができないことで亜硫酸塩によって、ワイン自体の味が変わることがあります。

アルゴンガス

アルゴンガス(Ar)はその酸化防止作用からワインの風味を守るために使われている、環境にもやさしいのが特徴のガスです。世界では食品の酸化を防ぐ食品包装の充填ガスとして使われています。日本では規定が無いのですが、健康被害や環境に対する害や毒性が無く、1990年にEUのSCF(食品科学委員会)、2000年に米国のFDA(アメリカ食品医薬品庁)が許可しています。特性としては不活性(科学的に安定していて他の物質と化合しにくい)を持ちます。地球の大気には約1%と窒素約78%・酸素20%につぎ3番目に多い気体です。

澱引き(おりびき)

ぶどう果汁を搾汁(さくじゅう)後に不純物を取りのぞいてタンク(樽) に仕込まれたぶどうはアルコール発酵が進んでいきますが、発酵が終わるとタンクの底部に澱(おり)がたまります。
澱は、発酵で生まれるタンパク質やぶどう果汁が含む繊維質などです。この澱と上澄みのワインを分別するために行うのが澱引き(おりびき)です。自然な澱引き法では、数日かけてワインの自然沈降を待ち、上澄みだけを別なタンクなどに移す方法だが、時間がかかるので、濾過機(遠心分離機)などを用いて澱引きを行うワイナリーもあります。

澱引き剤(おりびきざい)

ワインはタンク(樽)の中で発酵していく時に、繊維質や発酵で生まれるタンパク質やぶどう果汁が含む繊維質など澱(おり)が底にたまります。その澱を簡単に取ってくれるのが澱引(おりび)き剤です(自然派系ワインでは使用されない)。原料はさまざまで石油由来のポリビニルポリピロリドン、コロイダルシリカ、セルロース、アルギン酸ナトリウムや鉱物由来の珪藻土、ベントナイト、そして活性炭、卵白などがあげられます。また、この澱引き剤はワインを清く澄ませることから「清澄剤(せいちょうざい)」としても使われています。

か 行

結果枝(かっかし)

結果枝(かっかし)は幹では無く、葉や花を付け果実をつける側枝(そくし)のこと。 ブドウなどは今年枝(今年伸びた枝)が結果枝になる果樹です。

酵母(こうぼ)

ブドウがワインに変わるときにブドウの中にある「糖」を、アルコールと二酸化炭素に分解するのが酵母(こうぼ)です。自然界に存在する「野生酵母=天然酵母」とワイン醸造に適しているいる酵母を培養した「培養酵母」があります。野生酵母は、酵母がタンクの中で育つのを時間をかけて待ちます。発酵など醸造のコントロールは難しいがワインに育った場所の個性が出ます。「培養酵母」は造りたいと設計したワイン醸造に向いている培養酵母を専門の業者から購入することが多ようです。

国産ワイン

海外から輸入したブドウ、濃縮果汁やワインを使用し、日本国内でブレンド製造すると「国産ワイン」になります。2018年10月30日施行のワイン法で、国産ワイン(国内製造ワイン)と日本ワインの明確な基準が設けられました。

さ 行

酸化防止剤(さんかぼうしざい)

現状売られているワインの多くは酸化防止剤(さんかぼうしざい)が入っています。代表的なものは亜硫酸塩(SO2)ですが、亜硫酸塩は人体には有毒で、使用した場合は食品衛生法上の表示義務があり、ワイン1kg当たり0.35gがリミットとなっています。酸化防止剤を販売している会社は「酵母の働きにより発酵課程でワインの中に微量生成されている」「亜硫酸塩は、酸化や腐敗を防ぐ目的で使用される」「アルコール発酵を止める役割でも使われている」とPRをしていますが、オーガニック系の生産者以外でも使用をやめている企業も増えています。

自然派ワイン

有機=オーガニックという言葉は有機JAS法でお金を払い認証を受けたものだけが使用できます。無農薬の商品を造っている生産者や販売者の中には有機JAS以上に基準を厳しくして安全・安心の農産物を製造・販売しているところも多くあります。そういった人たちに使われている名称が「自然派ワイン」です。また、これと同じような言葉に、ナチュラルワイン、ビオワイン、ヴァン・ナチュールなどがあります。
ワイナリーによって多少ちがいますが、下記のような共通点があります。
ぶどうにも、栽培する畑には農薬や化学肥料、化学的な除草剤を使用しない
発酵には、野生酵母=天然酵母を使う
亜硫酸塩(酸化防止剤)を使わない

仕立て(したて)

仕立て(したて)とは「つる科の植物をどう棚に合わせて成長させていくか」の方法です。つる科の植物は、ほっておくと光の方向にかってに伸びていきます。そのために、つる科の植物では、どう棚に合わせて枝をはわせ、適正に果実を実らせてていくかが大切です。最初の主枝をある高さまで行った時に両側に分けていく方法や、一方方向に伸ばしていく方法などさまざまな方法があります。

シュー・ルリー製法(しゅ・るりーせいほう)

フランス語で「Sur(上に) Lie(澱)」と書き、澱の上という意味を表します。一般的なワインの醸造過程では、発酵が落ち着いた後、上澄みを他へ移し沈殿した澱(おり)は取り除く澱(おり)引きを行います。しかし、シュー・ルリー製法では澱(おり)引きは瓶詰め前だけ行い、おりと一緒にワインを熟成させます。
ワインが酵母を含んだ澱(おり)と長い時間、接していくことで発酵を終えた澱(おり)が自己分解をしてアミノ酸や多糖類に変化しワインに溶け込んでいきます。

熟成(じゅくせい)

ワインが発酵した後でもすぐにビン詰めせずに、別の樽に移し替えたり、そのままタンクで熟成(じゅくせい)させることがあります。樽の成分や香りなどをワインに浸透させ味や香に変化をつける。時間をかけることでワインの味をまろやかにする。ワインに凝縮感を持たせるなどさまざまな効果があります。またビン詰めされたワインもビン内で熟成し続けています。なので、ワインは保存状態が大切になってきます。

小公子(しょうこうし)

小公子(しょうこうし)は日本に古くから自生していた山ぶどうとワイン用ぶどうの交配の品種。小ぶりの果実に23~28度という高い糖度。果実は酸っぱさが特徴ですが、黒紫色に熟すると、糖度が増し酸味との絶妙なマリアージュが出てくるのが特徴です。アントシアニンなどポリフェノールが通常のぶどうの約8倍含まれ、濃厚な色が特徴。澤登晴雄(日本葡萄愛好会)によって交配されたワイン用品種です。

除梗(じょこう)

除梗(じょこう)とはワインの制作過程で、ブドウの実につながる梗を取り除く過程をいいます。梗やヘタなどにはタンニンと呼ばれる苦みや渋みなどがあり、それを取り除く作業です。また、この除梗を行わずにワインを造る場合もあり、ボジョレー・ヌーボーは部分的に梗などを除梗せずに発酵を行っています、また、まったく取り除かずに発酵を行う場合は、全房発酵とよばれています。

白ワイン

ブドウの皮などを除去し、圧縮をくわえ果汁だけ(果皮や種子も一緒にして使う場合も)を発酵させるのが白ワインです。酵母を加える作り方をしている場合は果汁を搾ったものに直接加えられます。リンゴ酸が乳酸と炭酸ガスに分解されるマロラクティック発酵は行われる場合と行われない場合があります。特徴としは赤ワインほどでは無いのですが抗酸化能力が高いポリフェノールが含まれます。

スティルワイン

スティルワイン(英:Still Wine)は醸造方法によって分けたワイン分類方法の一つ。発泡性では無いワイン(赤ワイン・白ワイン・ロゼワイン)のことです。
この分類方では、他に、スティルワインに対照的な発泡性がある「スパークリングワイン(英:Sparkling Wine)」、アルコールの度数が高い「フォーティファイドワイン(英:Fortified Wine)」、スパイスやハーブなどを加えた「フレーバードワイン(英:Flavored Wine)」などがあります。

ステンレスタンク

昇した場合は配管に冷却水を流して発酵中のワインの温度上昇を抑えることができるタンクもあります。ステンレス(英:stainless steel)は通常鉄に10%以上のクロムを混ぜ、腐食耐性を持つ合金のことです。

清澄(せいちょう)

ワインの製造工程の1つで、瓶詰めをする前にワインの濁りを取って透明度を上げたり、過剰なタンニンを取るなどワインのバランスを取ることを指します。澱引き(おりびき)をおこなってもまだ、ワインは酵母とたんぱく質などによって熟成が進み、ワイン自体が濁ってきます。澱引き剤と同じような「清澄剤(せいちょうざい)」するワイナリーもあります(自然派系ワインでは行われない)。コラージュ(仏:collage)、ファイニング(英:fining)ともいわれています。ただし、清澄を行うとワインの複雑性は失われ、自然派系でなくとも清澄を行わない(仏:non collage)ワイナリーもあります。

側枝(そくし)

側枝(そくし)は「わき枝」ともいい、幹や茎から出る枝のこと。さらに、幹や茎から出る枝を一次側枝。一次側枝から出る枝を二次側枝と区分します。

た 行

樽(たる)

樽(英:Barrel・仏:Baril)はオーク材をつかったワインを熟成するための容器です。樽熟成のメリットは木性の樽を通じて空気と接触でき、ステンレス性の樽に対して熟成が進みます。またオーク材などを樽に使うことにより、樽の風味を与えるこができます。樽の材質は主な産地名からフレンチオーク(「ヨーロッパナラ:別名イングリッシュオーク」「ツクバネガシ:別名セシルオーク」)アメリカンオーク(別名ホワイトオーク)と呼ばれています。

テロワール

ぶどう自体は同じ品種でも、育てる場所、気象条件、生育方法などでも味が大きく変わります。「同じ地域の農地は同じような味わいがある商品を作り出す」ということから、ぶどう畑の土壌、地形、気候、風土など全てを含めワイン造りの環境のことをテロワール(仏:terroir)といいます。シャンパーニュ地方のシャンパン。ワインではボルドー、ブルゴーニュなどがこれにあたります。また、コーヒーや紅茶などもこのテロワールがマーケティングとして使われています。

な 行

濁り(にごり)ワイン

タンクの中でワインのアルコール発酵が終わった後に澱引(おりびき)きを行っても、ワインに澱などの濁りが生まれます。この濁りは、ワインが熟成していく過程で、残った酵母とたんぱく質が濁りを造ります。一般的な醸造方法では清澄剤(せいちょうざい)で清澄を行い、濾過を行って濁り原因物質を除去します。これによって澄んだワインができます。しかし自然派ワインをつくるワイナリーでは、清澄剤を使うことはワインの複雑性が失われることと、石油・鉱物・動物由来などをワイン醸造過程で使うことはよくないと考え、清澄を行いません。したがって濁ったワインができます。これが「濁り(にごり)ワイン」です。

日本ワイン

日本国内で栽培されたブドウを100%使用し、日本国内で醸造されたワインのこと。法律によって裏ラベルに「日本ワイン」と表示ができます。また、「日本ワイン」だけが、特定の地域で生産されたブドウを85%以上使用した場合は、産地名をラベルに記載できます(2018年10月30日施行の「果実酒等の製法品質表示基準」で制定)。

は 行

瓶詰め熟成(びんづめじゅくせい)

ワインの発酵を行うタンク(樽)から一本一本のビン詰めた若いワインを、一定期間ワインのコンセプトに合せ「熟成」(変化)させる手法。瓶詰めされたワイン自体が時間と共に変化し、ワイナリーのコンセプトに合わせ最高のタイミングでリリース出来るようにする方法です。

ボルドー液

ボルドー液は硫酸銅と生石灰を水で薄めた溶液です。ボルドー大学の研究で19世紀後半から使われはじめたのでボルドー液とよばれるようになりました。カビが派生して、花や果実、葉などが落ちるブドウ病、ベト病の防除薬です。しかし、硫酸銅は毒性が高く、作物体表面に薄い皮膜を作り、外部からの病原菌の侵入を防ぐという形態が「ワイン自体に残留する」、「農薬として広範囲に撒かれる」ということで使用しないワイナリーも増えています。有機JAS規格では、石油由来では無く天然物で構成されているので使用を禁止していません。

ぶどう畑

ワイン生産用のぶどう畑は葡萄園(ぶどうえん)、また農産物を育てる場所として農業関係者で使われる圃場(ほじょう)とよばれることもあります。英語圏ではヴィンヤード(英:vineyard・仏:vignoble)とよばれています。

ブラン・ド・ノワール(Blanc de Noir)

黒ブドウのみを使って造られた白ワイン。黒(Noir)ブドウから白い(Blanc)ワインが造られる事から、このように名付けられています。
単一品種からでも、他のブドウとブレンドしても、ブラン・ド・ノワールと呼ばれます。

ま 行

マロラクティック発酵(はっこう) MLF発酵

マロラクティック発酵(はっこう)とはブドウのアルコール発酵が終わった後に、ワイン内に含まれるリンゴ酸を乳酸菌が乳酸と炭酸ガスにすること(発酵といってもアルコールは生み出しません)。リンゴ酸(Malic acid)、乳酸(Lactic acid)、発酵(Fermentation)からMLF(仏:Malo-lactic fermentation・マロラクティック)発酵とよばれています。ワインの味としては、複雑さがまし味がやわらかくまろやかになり、いろいろな香味が出てきます。また、リンゴ酸が乳酸に変わることによって雑菌が排除され、ワインが安定・成熟できるようになります。

メルロー

メルロー(英:Merlot)世界中で栽培されれている黒ブドウ。カベルネ・ソーヴィニョンなどと共に有名なワイン用ブドウ品種です。カベルネ・ソーヴィニョンと比べ早熟で育てやすく、果実味が豊かでまろやか。チリ産のメルロと表記されているワインは大半がカルメネールという別品種。

や 行

ヤマ・ソービニオン

日本に古くから自生していた山ぶどうとカベルネ・ソーヴィニヨン(Cabernet Sauvignon ヨーロッパ品種)との交配ブドウ。山ぶどう持つ野生のあらあらしさと優がなヨーロッパ品種の交配により、コクが有り、おだやかな甘さ、そして後味としての渋味も感じられます。山川祥秀(山梨大学)交配による赤ワイン用品種。

山ぶどう

日本に古くから自生している野生の赤紫色のブドウ(「古事記」にも表記がある)。果実自体は1.0~1.2cmと小ぶりで、皮が厚く種も大きい。わずかな果汁しか取れないのが特徴だが、「自生していた」という日本の風土に合っているという特徴を利用し、ワイン製造に適した品種と掛け合わせた、日本独特のワイン製造に適した、小公子やヤマ・ソービニオンなどの品種が作り出された。

ら 行

わ 行

ワイナリー

ワイナリー(英:winery)はワインを造る事業そのものから、ワイン生産の建物や不動産、ワインを貯蔵する場所、ビン詰めされたワインの倉庫など多くの意味があります。

英数字